風のように空を自由に飛びたいと
風のようにあなたの元へ行きたいと
風のようにいつまでもいたいと
そう思うのはいけないことですか?
「あー、風が気持ちいい・・・」
ウィルオ・ウィスプの屋上にて、寝転がりながら空を見上げる。
現在の時刻は午前10時20分、確か魔法史の授業だったと思う
この時間に屋上にいるということは当然ながらサボり中なわけで。
「まあそんなに単位やばいわけじゃないからいいよね・・・うん」
半分ぐらいはちゃんと出てはいるのだが、そりゃあ日によっては授業受ける気分じゃないときもある、それでも我慢して受けるのが学校というものだとはわかっているのだが。
・・・・この学校に来て何年経つのだろうか
10歳のときにここの校長に親友のディンと共にここへ来て
現在15歳、ざっと5年だろうか、時が過ぎるのはあっという間だ
そしてたぶんこれからも、それは変わらないんだろう。
そういえば、彼女と出会ったのも、5年前だった
そんなことを考えてるうちにウトウトし始め、そのまま意識が落ちていった
「・・・スカイ、早く起きてってば」
「・・・・・・ん・・・・・ふぁあ・・・あ、マイナおはよう・・」
眠りから覚めると目の前にいたのはクラスメイトのマイナ・ミルキーピンク、眠い目をこすり、しばらくボーっとして、やっと意識が覚醒してきた
「んと・・・・今何時?」
「12時半、昼休みだよ」
「あー、魔法史だけサボるつもりが・・・寝過ごした」
「まったく・・・・先生も怒ってたよ、宿題2倍とか言ってたし」
「うわ・・・・最悪だ・・」
いつも起こしに来てくれる彼女と出会ったのも5年前の入学した頃のことであった。
あの頃から変わらない水色の髪、今は少し伸びて肩にかかっている
少し懐かしくなって、ふっと笑みがこぼれる
「どうしたの?」
「いや、ちょっと入学した頃のことを思い出して・・・」
「あ〜、そういえばなかなかクラス馴染めなくて一人でいた私に初めて話しかけてくれたのスカイだったね・・・・」
「そうだっけ?」
「そうだよー、結構いい思い出なんだから」
昔から変わらないこの笑顔、いつからか、ずっと見ていたいと思うようになって、それでも、今はこのままが一番居心地がよくて。
「てか、そんなに屋上って気持ちいいの?」
「いい日加減でポカポカして暖かいぞ、結構」
「ふーん・・・・じゃあ」
そういって、自分の横に来て、そのまま肩に寄りかかり、目を閉じた
「ちょ・・・マイナ?」
「・・・・zzzz」
「・・・眠かったのかよ・・・」
まあでも、しばらくはこのままでもいいか・・・・
彼女の幸せそうな寝顔を見て、そのまま空を見上げた
いつの日か、この想いが届きますように
この風のように、あなたの傍にいれますように
−fin−
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